シュガーレス
親友の結衣だ。
「おはよー。どうしたの?」
「妄想してた☆」
「…お疲れ」
あのー、かわいそうなモノを見る目で見ないでもらえます?
「また小泉?」
「うん!
今日も可愛いよね♪」
私が同意を求めると、結衣が首を傾げる。
「私は苦手だけどな〜、
何かブリブリしてて」
2年C組
出席番号10番。
小泉透君。
少し小さめの背に
柔らかくてふわふわの髪。
天使みたいに可愛いその笑顔。
私の好きな人なんですが…
サバサバ姉御肌タイプの結衣には不評だ。
ブリブリって…
「結衣は趣味が変わってるもんね!」
好きな人をけなされて、少しむくれ気味に言う。
「そだね。
あんな甘ったるい男が趣味じゃなくて良かったよ」
むかっ!!
「何が良かったんだ?」
結衣ちゃんに言い返そうとしていると、後ろから実に眠そうな声が聞こえた。
*゚゚