シュガーレス
「…ふぅん。」
あ、逸らされた。
私から逸らされた、彼の視線は
今はタバコに火をつける為に、手元に向けられている。
何だか余裕で、悔しい。
「先生は?」
「ノーコメント」
「何それ、古いっ!」
「古くねぇっつぅの!」
「えー使わないよ?」
「使うだろっ!
あ。
古いっていや、お前ら“チョベリグ”とか知らねーだろ?俺が中学の時…」
あーあ…流されちゃった。
いるのかな?
好きな人。
私だったら…いいのにな。
そんな淡い期待を抱く。
この気持ちは、ずっとずっと続いていくんだって。
そう思っていた。
馬鹿みたいに夢みていた日々に、終わりが来る事なんて知るはずも無く。