シュガーレス


「言うとくけど、素隠して周りの相手すんの、めっちゃしんどいねんからな?」

まぁ、そりゃ大変だろうけど…


「なら、キャラ作るのやめたらいいじゃん!」


「…お前はアホか?」


う…


さっきのテストの直後だから、余計にその言葉がグサリと突き刺さる。


「そんなん、今までの努力が無駄になるやんけ」


「なんでそこまでして…」


努力してまでのメリットって何?


「便利やから」


「え?」



「…優等生で優しい俺に逆らう奴なんか、生徒はモチロン教師でもおらん。
何でも俺の思う通りや。」

そこまで言うと、彼は急にニッコリ笑った。


「そんなオイシい環境、やすやすと逃す訳無いやん」


「……」



何が、彼をこんなに歪ませたんだろう。


何で、


私は傍にいなかったんだろう。














*゚。
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