シュガーレス
…あ。
ふとレジカウンターの最後尾の人に、目がとまった。
嘘っ!
っ…先生だっ!
嬉しいっ!
早く、早くっ!
心の中で急かすように、信号を見つめていると、
ようやく青になったと同時に、私は駆け出した。
先生!
先生!
すると、焦る私の気持ちが伝わったかのように、
不意に
先生が、こっちを見た。
嬉しくなって、声を上げる。
「せんせ…っ」
「馨!」
違う呼び方だけど、同じ人を指している事は十分わかっていた。
その声に遮られるように、私の足が止まる。
あなたは私から目を逸らし、ゆっくりと後ろを振り返り、呟いた。
「…百合」