がーるずすくーる
しかし周囲の困惑などお構いなしで村田本人は志望校を変えるつもりは全くなかったのである。

何故、そんなに学力の高い村田が北条なんかを選んだのか?
これは村田が北条に入学前から卒業に至るまで必ず聞かれる言葉であったがその度に答えは決まっていた。
「近いから」
これが村田が北条に入学した最大にして唯一の理由である。

確かに村田の自宅から北条高校まで徒歩で二分もかからない場所にあった。
教師達から「これからの将来に関わる事だしなんとか考え直せ」と説得される度に「だって他の所はみんな遠いんだもん。電車やバスで毎日通ってられねー」と言って聞く耳を持たなかったのである。

こうして村田良静は北条女子に入学したが普通これだけ勉強のできる優秀な生徒であれば特待生として迎え入れ学校側も泣いて喜ぶものだが村田の入学に関しては北条側も無条件に喜び感謝するという訳にも行かなかった。
それは、村田の学力がトップレベルであると同時に村田は類い稀な問題児であったからである。
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