空蝉の光 -桜花乱舞-


彼の顔が近付き、唇に息がかかったかと思うと、ふわりと唇が重なった。



軽く重なっただけで、それはすぐに離れた。



「ちょっ…、何す――、んっ!?」



私が抗議しようとすると、また唇が重なる。



お父さんや恭介がいるのに、どうして…?



私は長く続けられる口づけに息苦しさを感じ、一哉君の胸を叩く。



彼は唇を離すと、私をその胸に抱き寄せた。






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