プレシャス
「あたしって…なんなんだろね」
「志穂ぉ…」
「好き」って言われて付き合いはじめて
“修の彼女”になれた。
でも
実際には目の前にいる圭介と頼子みたいな…
互いに想いあって
互いに大切にしてる
そんな関係からはほど遠い…
友達以下の存在。
…特別になりたくて
特別だから…
“恋人”って
そういうものだと思ってたのに。
「やだ、なんかしめっぽい話になってるし。ほらっ飲もっ?せっかく新年会なんだから」
目の前で、あたし以上に沈んでるみんなのグラスにカチンとグラスを当てて。
それを一気に飲み干した。
口の中に広がるのは、ほんのり甘い桃の香り。
いつもは甘くて大好きな味なのに、今日はなんだか…ちょっと微妙。
やっぱり…
いろいろ考えちゃうからかな。