プレシャス
「じゃあ、マスターごちそうさま」
「また来るからぁ~」
深夜12時の時計の針にゆっくりとしまる扉。
いつ来ても笑顔のマスターに見送られ
ゾロゾロとみんな、お店を後にした。
…ホントは
なんか言い訳見付けて、あたしだけ残るつもりだったんだけど。
「志穂、お前あんま飲んでねーだろっ」
「…大造と比べたらみんながそうなるでしょ。もう…、ぜんぜんグラス離さないんだもの」
言い訳を見つける前に大造に捕まって。
帰るつもりないのに帰るハメに。
「…大造のバカ」
「なにいきなり」
「…別にぃ」
あ~あ
坂井君に帰るって…
言えなかったじゃない
メールだけでもいれとかなきゃ…
「…おいおい、また修にメールか?おっ前、そうやって甘やかすからアイツつけあがるんだぞ?」
「ちょっ、覗かないでっ……てか…修にじゃないもん…」
「じゃあ、誰よ」
「誰って………いいじゃないそんなの」
…てか
言えるわけないでしょ
大造に知れたら、
「なんだそりゃあ~っ!!」
って…
また大騒ぎになるのなんて目に見えてるんだから