貴方まであと1cm
そして、放課後――――――。


「よしっ。帰ろーっと」


そう言いながら席を立とうとした瞬間・・・


ガバッ


「キャアッ!」

「ちょっと?どこに帰ろうってんのよ?」

「えっ、涼か~。もう!おどかさないでよ」

私はホッとし、胸をなでおろした。


「梨乃。忘れてないわよね?あの約束?」

「約束?」

私はキョトンとした顔で涼を見た。


「まさか・・・、忘れたわけ!?」

「えっ?だから、なんの約束したの?」

「はぁ。しょうがないな・・・」


と、呆れたような顔で言った。


そして、大きな息を吸った。


「月くんベタ惚れ女ーー!!!」


と、叫んだ。

その声は、校内の隅々まで聞こえたという・・・。


「ちょ、ちょっと!それは言わない約束でしょ!?」

「あっ。やっと思い出した?」

「えっ?・・・。あっ!帰りに...おごる...約束?」

< 32 / 42 >

この作品をシェア

pagetop