一緒に、歩こう
その日、たまたま家に
来ることになっていたので、
急いで帰ることに。
「ごめん!遅くなっちゃった!」
家の前に座っていた隼人に
あたしは車から降りて、
すぐ謝った。
半分寝かけていたのか、
ん、とだけ言って玄関まで
歩いて行く隼人。
後ろ姿を見て、
なぜか切なくなった。
「ご飯は?」
「まだ食ってない」
「今から作るから、待ってて」
んー、と言いながら
ソファに腰をかけ、
テレビを見ている隼人。
あたしは、いつ告げられるか、と
ドキドキしながら台所に立った。
「はーい、出来たよ~」
あたしは出来立ての料理を
テーブルに運ぶ。
隼人はやっと出て来た、と
いうような顔をして
並べられている料理を
眺めている。
「早く食お」
「はいはい」
あたしは、彼の前に座って、
端を持ち食べ始める。
もぐもぐ頬張る隼人の口の中が、
空になることがないように、とか。
沈黙が走らないように、とか。
そう願いながらご飯を食べた。
「あー、美味かった」
「よかった。片付けるから待っててね?」
あたしは台所に食器を運ぶ。
つもりで立ち上がろうとした、が。
「待って」
その一言で遮られた。