幽霊の思い出話

「ち、違う。はぁ、はぁ、認められたんだ」

 新見さん一生懸命呼吸を整えていた。

「ん?なんだって」

「通ったって、嘆願書が。会津藩の預かりに決定したんです」

 嬉しそうに話す新見さんを見て、言っている意味をやっと理解した。

「やったー。やったぞ、左之」

「あっ、あぁ。良かった。帰らなくていいんだな」

 新八と肩を組み二人で喜んだ。山南さんも一安心といった顔だった。

「どうしたの?」

「賑やかですねぇ」

「何やってるの?」

 総司と井上さん、平助や芹沢派の人間も出てきて、庭に人が集まってきた。
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