幽霊の思い出話
「なぁ、総司」

「ん?なんですか?」

 総司が問いかけた俺に向かって顔を向けた。

「いや・・・。総司は不安になることあるか?」

「ちょっ、左之」

 新八が歩みを止め、驚いた顔で俺の方を見た。総司も少し驚いたような顔だった。

「何を急に・・・。どうかしたんですか?」

「いや、なんだろうな。ちょっと気になってな」

 止まっていた歩みを再び進めながら、俺は空を見上げた。

「一体何を不安がっているのか、どう思っているかは知らないですけど、信じるしかないんじゃないですか?ここでやめたって、結局尻拭いを繰り返して、ただの浪人で終わっちゃいますよ」

 両腕を上にぐっと挙げて、伸びをしながら総司は言った。

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