幽霊の思い出話
「故郷?左之の故郷ってどこ?」
「俺は伊予の出身だ」
「伊予・・・って愛媛?」
「多分な。今の名はイマイチわからない」
私には昔の地名がイマイチわからない。ただこのあたりではないだろう。
「故郷のこと、何を考えてたの?」
「ん?今どんな風になってるんだろうなってな」
風になびく少し長い髪を、彼は鬱陶しそうにかきあげながら言った。
「きっとこんな風にビルやマンションが増えてるんだろうなって思うと、なんか切なくなるな」