ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
「君はなかなかいいモデルだよ。

手足が長いからポージングが決まりやすいんだな。

体も柔軟だしね」


あたしの戸惑いをよそに、黒川さんは微笑しながらもう1枚の絵を取り出した。


「ほら、こっちもなかなかいい仕上がりでしょ?」


くるり。

もう1枚の絵がこちらを向いた。


(……え)


何? これ……

顔に火がついた。


(ちょっと、アヤ! 何やってんのよ!)


絵の中で、ちょっとあたしでは考えられないほどの官能的なポーズをとってるあたしがそこにいた。

媚びるような、妖しい微笑みを浮かべて。

一糸もまとわず。


(ちょっ………)

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