泣き顔の白猫
校長が続ける。
「それに、犯人の女子生徒は、クラスでも孤立した存在というか……あまり、人と関わるのが得意でなかったようで、問題も多く」
「はぁ」
具体的な言葉はほとんど出てこないが、何を言いたいのかくらいはわかる。
加原は、遠慮がちに言った。
「いじめ……ですか?」
「まぁ……その辺の事情は、以前もお話ししてまして」
校長は、曖昧に頷く。
学校関係者としてそう簡単にいじめがあったことを認められないのだろうが、加原としてはもう少し穿った話を聞きたいところだし、事実をねじ曲げたり隠されたりしては困る。
ところが、それまで黙って写真を観察していた安本が、口を挟んだ。
「そもそもその、交際っていうのがな。嫌がらせの延長っていうか……」
「……どういうことです?」
眉を潜める加原に、安本は一度溜め息を吐いてから、言った。
あまり口にしたくない、という様子だ。