キミと一緒に。【完】
笑顔で受け取った加菜恵だけど、銀紙の包みを外し、チョコを口に含むと、表情が変わった。

暗い影が、見え隠れする。



「加菜恵…?」



「サボろ!」



「え?加菜恵…!!」



教室を出ようとする加菜恵。

慌てて椅子から立ち上がり、追い掛けながら、倉元に目配せ。

チャイムが鳴り、いつ先生たちに会うかわからない状況で廊下を走る。



「どうしたの、加菜恵…っ」



加菜恵が辿り着いたのは、空き教室だった。
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