~境界線~君だけの声が聞きたくて
ーーー最近レオがモテる。
もともとかっこいいし、女子にも人気があるレオだけど、どうしても近寄りがたい。
なのに、確実にモテはじめている!!
いやむしろモテない方が可笑しいんだろうけど、さすがに朝からアレを見たのはキツかった、、、。
朝下駄箱に着くと、1年と思われる女の子がレオにおはようと挨拶をしていた。
それは別にいいんだけど。
明らかにレオにベタベタと触り
「レォ~、教室まで一緒に行こ?」
と甘ったるい声でレオの腕に自分の腕を絡みつける。
「ーーー触んな」
そう低く言い放ったレオを見ても怖がらないし動揺もしない。
「えぇー、ケチんぼぉ」
それでも無理矢理レオの腕を掴んで教室えと向かう女の子。
レオは私を見て“悪いまたな”と言うと、掴まれていた腕を振り払い、自分ので歩いていった。
最後にこちらに振り返って女の子は
私を見て不適に笑った。
…………何なの?
もしかして私敵対視されてる…?
あの顔を思い出すたびにイライラして来てさっきからハル先輩に八つ当たり中。
「何なの!本当ベタベタしすぎだからっ!!」
「いやぁ、ホントに弟くんの事好きだねー」
「てゆかもうシスコンレベルだよねぇ。
」
「ゆず、それを言うならブラコンレベルだろ?」
剛ちゃんナイスっ
てゆかゆずがバカ過ぎでしょ!
何だかみんなは私がブラコンだと思っているみたいだけど、それはそれで通せるから楽だった。
「俺と付き合えば、俺の女にガン飛ばすんじゃねぇよって言ってあげよっか?」
「………遠慮しと来ます。」
「ハル先輩はただ美月と付き合いたいだけでしょー」
“あはは、バレたー”なんて言って笑う先輩。
こっちはけっこう本気でもやもやしてるのに!って思うけど、私はこの距離が1番好き。