~境界線~君だけの声が聞きたくて
チャイムと共に先輩達は教室に戻って行った。
「じゃあ、あたしも保健室行って来るね!」
「次相楽センセーなのに~」
ゆずはホントに相楽先生の事を気に入っていると思う。
まぁ、分からなくはないけどね。
「あら、今日はいつもより遅かったのね」
「色々考えてたら保健室に行くのも忘れてた~」
「あら珍しい。」
起きてると朝の事がもんもんと思い出されてしまうので、早く眠りにつきたかった。
それからというものの、女のコはスキンシップが激しさを増し、私はため息が増えた。
女のコこと、瑞希ちゃんはどうもレオが好きらしい。
今までだって、レオに寄ってくる女のコはたくさん居たし、それなりに私もなれたけど
今までとは何かが違う、
上手く言葉では言えないんだけれど、
凄く胸騒ぎがするーーーー。
まだハッキリとはしてないけど、私は聞いた。
あの私以外の女のコを呼び捨てしたことないレオが、
“ーーーー瑞希。”
聞き間違えであって欲しいと思う。
切実に。