~境界線~君だけの声が聞きたくて



チャイムと共に先輩達は教室に戻って行った。




「じゃあ、あたしも保健室行って来るね!」



「次相楽センセーなのに~」





ゆずはホントに相楽先生の事を気に入っていると思う。


まぁ、分からなくはないけどね。





「あら、今日はいつもより遅かったのね」


「色々考えてたら保健室に行くのも忘れてた~」



「あら珍しい。」




起きてると朝の事がもんもんと思い出されてしまうので、早く眠りにつきたかった。









それからというものの、女のコはスキンシップが激しさを増し、私はため息が増えた。




女のコこと、瑞希ちゃんはどうもレオが好きらしい。




今までだって、レオに寄ってくる女のコはたくさん居たし、それなりに私もなれたけど






今までとは何かが違う、



上手く言葉では言えないんだけれど、




凄く胸騒ぎがするーーーー。





まだハッキリとはしてないけど、私は聞いた。



あの私以外の女のコを呼び捨てしたことないレオが、






“ーーーー瑞希。”






聞き間違えであって欲しいと思う。




切実に。
< 31 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop