私だけの甘々彼氏
そんな、そんな事言われたら。
「た・・・く・・・み・・・。」
言っちゃうじゃんー・・・。
「うん。それでいい。」
拓海君、じゃなくて拓海は満足そうに笑った。

「それにしてもさぁ、あんたらホントバカップルよねぇ。付き合ってるんでしょ?」
今は実来とお昼ごはんを食べている。
「んん~、付き合ってる・・・のかな・・・。」
まだそういう話はしていない。
「何言ってんだか。でも、良かったね。好きな人が学校にいるのといないのとじゃ結構違うよ?」
実来がたまご焼きを食べながら言う。
「うん・・・。」
あたしが元気なさげに言うと実来が
「どうしたの?なんか不安があるとか?」
と聞いてくるから思わず答えてしまった。
「ん~。なんか会えなかった8年間、どう過ごしてたのかな、とか。」
「ああ~そういうのは本人から聞きな。」
「え?」
「ん?」
実来が不思議そうに首をかしげる。
「ううん、なんでもない。」
ただ、実来がいつもと違って真剣な顔で答えるからビックリしたんだ。そうだよね、実来の言う通りだ。知りたい事は本人から聞かなきゃね。そう心からあたしは思った。
< 9 / 71 >

この作品をシェア

pagetop