君だけに~本当の愛とは?
聖人が去った後、
背後から声をかけられた。
『彼女?今一人?』
腕を強引に引っぱられる。
よく見ると、同じ学校の生徒らしい。
『私…入学式がある…っん!』
ナンパした挙げ句、強引にキスしてきた。
『黙って言うこと聞け!』
『なんなの?いきなりナンパしてきて、
キスしてくるわ、俺様な態度は。』
『うるせー。俺は金持ちが大嫌いだ。
お前はHujisakuグループだろ?』
『知っててキスしたの!?』
『あぁ…。』
『あなた名前は?』
『新部 武人。』
『わかった。これからよらしく!』
『はぁ?俺アンタと仲良くする気ねーから。』
捨て台詞を吐いてイライラした様子で歩いて行ってしまった。
意味わかんねー。
多分彼はこう思っているのだろう。
『新部 武人かぁ…。気に入っちゃったカモ♪』
───入学式───
だるい気持ちで式から戻ると、
クラスが決まっていた。
『えーっと、私は1組か…。』
『うわーん。姫と同じクラスになれなかったよぉ(T_T)』
情けないくらいにワンワン泣く紫。
他人のふりを貫ぬいた。
『なぁ?』
『ほえ?』
『あの情けない男、アンタの兄じゃない?』
『そうだけどって…。あー!!新部 武人!!』
『おい!気づくのおせーし、あんまりデカイ声出すな!』
急に辺りがザワザワしてきた。
『今、新部君って言ってなかった?』
『あの○○中のイケメンで女遊びが激しくて、
何人とヤッたかわからないあの新部君が、この学校に?』