Distance
「お前、なにやってんの?」
「・・・やっぱり、あんたか」
声が重なった。
相手は大谷。
「なにやってんの?」
大谷が、あたしに聞きなおした。
「弟の忘れ物。届けにきた」
「平岡浩太!?やっぱりお前の弟かぁ!!」
大谷はパンッと手を叩いてあたしを見る。
「あいつ、結構上手いよ。4年の中で一番か二番くらいに上手いんじゃね?」
そう言って、今度はグランドの浩太を指差した。
「サッカー、やってたんだ」
やけに偉そうに話す大谷に、あたしは聞いた。
「おう」
大谷は短く答える。
「なんでバレー部?」
「うちの中学、サッカー部ねぇじゃん」
「あぁ・・そっか」
「つーかさ、何?お前そのカッコ・・」