好き・・・大好き・・・
でも、やっぱり輝は1年生のなかで一番うまい。
さすがだよ。
私は未来さんのもとへ戻った。
未来さんもずっと輝の方を見ている様子。
「あの・・・未来さん、次何すればいいでしょうか・・・」
「私、先生が来たらボール渡しするから倉庫の掃除でもしてて。」
え・・・あんな汚いのを一人で。ほかにやらなきゃいけないことたくさんあるはずなのに。
私だけこんな大変なこと。
「わかりました。」
「あ、あとタメでいいから、さん付けはやめて。」
「う、うん。」
私は倉庫に入っていった。
誇りのツーンとした匂い・・・
道具は散らかしっぱなし。
トンボとか土とか置きたい放題に置いてるし・・・
どこから掃除しようかな。
私はとりあえずバラバラに散らばっているトンボを整理することにした。
やったらやりっぱなしで放り投げてたんだろうな。
やっぱり男子は雑だな・・・
そして私は重たい土を端っこにどかした。
石灰とかも真っ白・・・
なんとか時間内に掃除を終えることはできたけど・・・倉庫から出るともうあたりは真っ暗だった。
私、そんなに掃除してたんだ。
そうやって私が頑張っている間、未来さんは輝とかと楽しそうに会話をしている。
未来さんも、男子としゃべるためにマネージャーに入ったんだったら正直入部するなって思った。
私はみんなが使った道具を雑巾で拭いていっていた。
でも、未来さんはまだ男子としゃべっている。
別にいい、所詮未来さんはそういう人なんだと自分の心の中で思いながらもくもくと雑巾で道具を拭いていった。
「お、がんばってんじゃん。」
そう声をかけてくれたのは輝だった。
「あ、うん。輝もお疲れ。」
あ、でもやばい・・・話している姿未来さんに見られてしまったら・・・
ちらっと未来さんのところを見ると男子とまだ話している。
今なら大丈夫かな。
そう思っているとベンチの横に輝が座ってきた。
でも、私と輝の間にはヘルメットがあって少し距離が空いている。
「今日一緒に帰れるか?」
「えっ!?」
私はおもわずヘルメットを床に落としてしまった。