まだ好きです(完)
一人で通学するのも慣れてきた。

明日の自分を想像してみる。


また一人で通学しているのかな?もしかしたら私の隣にいてくれる人が出てくるのかもしれない。


私はふと目を閉じた。



懐かしい声が聞こえてくる。







---------------------




「雛。ちっこいなー。」


いつものように互いをいじりあう毎日。


「うっさいなー。駿がでっかいんでしょー。」

「俺182センチ。男子標準ですけどォ」


駿は冬に弱い。


いつもマフラーで口と鼻をかくしていた。


二人が話した分だけ、白い息が私達の心を凍えさせる。


「駿はなんで寒がりなのに手は温かいの?」

いつも寒いと言っておきながら、駿の手はいつも温かかった。

「さあ。雛と手つないでるから、緊張してのかな?」







さらっという駿の言葉がとてもキュンと私のハートに響かせる。


「私も、駿と手つないだから、心は温かいよ」


「へえ、じゃあ俺雛の心のストーブみてぇ」


「ははっ。そーだね。」


二人とも顔真っ赤。なんか…調子狂う。




「家もうちょっとだ」


「俺の心はもうじき冷めちゃうじゃんかよ。」


「私の心も冷めるよ!!」



「んじゃあ。永遠に冷めないように。」



そういって駿は私にキスをした。



星が今にも降ってきそうなくらい、近くにあった。



色とりどりの星がとても美しかった。




永遠に心が冷めないストーブがあればいいと思った。






< 33 / 202 >

この作品をシェア

pagetop