狼先輩。


「大丈夫?」



その声に、ドキリと胸が高鳴った。



顔を上げると、手を差し出されて。



……本当に、王子様みたい。




そういえば……。


大神先輩と初めて会ったときも、私が転んだのを助けてもらった……んだっけ。


「ことりちゃん……?どうしたの?どこか痛いの?」



先輩の私を心配するような声でハッとする。



……見惚れちゃってた。


……でも、大神先輩カッコいいんだもん。


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