狼先輩。

まだ、ぽけーっとする私と目の高さを同じにするように、先輩はしゃがみこむ。



ドキリ。


大神先輩と数秒見つめ合う。



……今、私、絶対に顔、赤い。


そんな私に、大神先輩はニコリと爽やかに笑う。




「じゃあ保健室行こうか」


「いや、ケガしてないですし、大丈夫ですよ」


「よし、行こうか」


「だからっ……」


「よし、行こうっ!!」


「って、えっ、ちょっ!!」


ふわりと体が宙に浮く。


……って、大神先輩にお姫様抱っこされた!?


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