狼先輩。

手で先輩の胸を押そうとすると、その前に両手を先輩に絡めとられて、顔の横に固定されてしまう。



「……なんだか、イケナイことしてる気分だね?」


「……先輩、誰か来ちゃったらっ」


「うん、だから、あんまり声、出さないでね?」


「えっ……!」



そ、そんなこと今からするつもりなんですか!?


え、ど、どうしようっ!!


あわわわわ。


焦る私を見て、大神先輩は吹き出した。



「嘘だよ。そんなことしないよ」


「え」


「焦ってることりちゃんも可愛いな」


「も、もうっ!そんな本気な感じで冗談言わないでくださいっ!!」


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