狼先輩。

俺のシャツを掴むことりちゃんの手が震えている。


そっとことりちゃんを離す。



ぷつりと唇を結ぶ糸が切れた。



「んっ、はぁっ……」


ことりちゃんは、苦しそうに息を吸う。



そんな彼女の額にキスをする。


「せ、んぱっ……」



俺を見上げることりちゃん。



潤んだ瞳。


おまけに上目遣いで。


紅潮した頬。





……俺を煽るには、もう条件が整いすぎていて。


「きゃっ!?」




俺は、そのままことりちゃんを押し倒した。


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