狼先輩。
その瞬間、ボワッと火が点いたように顔が赤くなって……。
それを見ていた女の子達の黄色い声が聞こえた。
「せ、先輩っ!ここ、教室の前ですって!」
「うん、そうだね」
「そうだね、じゃないですよっ!」
「……ことりちゃんは、2人きりがいいの?」
「……ぇ」
「ま、俺はことりちゃんと2人きりになりたいけど……。何するか、わかんないよ?」
甘く、耳元で囁かれる。
先輩の吐息がかかってくすぐったい。
「や、先輩っ……」