狼先輩。
「……はぁ、ことりちゃん」
先輩は何故かため息を吐くと、私の顎から手を離した。
「そんなに強張らないで。今夜は何もしないし」
「……」
さっきあんなこと言ったくせに……。
「信じてよ。それに、これはこっちのミスなんだ」
「……ミス?」
ちら、と先輩を見ると頷いてくれた。
「部屋を予約するときに、部屋数間違えたらしくて。本当はことりちゃんは1人部屋の予定だったんだけど、その部屋がとれてなくて……。だから、ごめん」
先輩が私に頭を下げる。
……なんか、本当に反省してくれてるっぽい。