Friendship


家の裏にそびえ立つ山の森には私が作った秘密基地がある。誰にも場所を教えたことはない。私だけの秘密基地だった。
昨日の豪雨でめちゃめちゃになってないかどうか心配で、足元に意識を集中させながら森を進む。
森に入って一番最初に立ちはだかる大木。
その木の後ろの根元に12歳になろうとしている私でも入るくらいの穴がある。

「良かった。穴、ふさがってない。」

けれど、

「ん?誰か、いるの?」

私はその穴の中で膝を抱えてうずくまっている私と同い年くらいの少女を見つけた。
こんな森に一人で何をしているのか不思議に思い話しかけてみる。

「あ、あのー、」

少女はゆっくりと顔をあげた。
顔や身体には土がついていて疲れ果てたような顔をしていた。
私はすこしビックリしたが、そのまま話し続けることにした。

「えっと、貴方はどうしてここにいるの?実はその穴、私が作った秘密基地なんです。ぁ、えと、顔、大丈夫?」

私をじっと見つめて話を聞いていた少女はゆっくりと立ち上がって穴から出た。
先端に癖のあるロングヘアの少女は私と身長もさほど変わらなかったが、なんだか大人びて見えた。

< 6 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop