シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
『俺の女』って、超アコガレフレーズの後に、
天使のような悪魔の笑顔。
周りが一瞬、ざわついたような気がする。
こ、これはマズイ。
「そんな言い方しないの!
ごめんね長島くん、おわびなんていいから!
もう気にしないでねっ!」
あたしは早口で言うと、千影くんの背中を押した。
早くこの場から離れたい。
しかし……
「……さっき、『千影くん』って呼んだ……?」
長島くんの声に、思わず立ち止まる。
「もしかして、佐藤千影?
元子役だろ、君」
「えっ?」
元子役?
寝耳に水だ。
「……同姓同名じゃない?」
千影くんは、低い声でそう返した。
「いや、本人だろ。
見たことあると思ったんだ。
昔、児童劇団同士で一緒に練習しただろ?
その中でも君は、今と同じ綺麗な顔で目立ってた」
長島くんも声を低くし、すらすらと言葉を並べ立てた。
周りの人間は、もう誰も聞いていないようだった。