シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
裏庭につくと、千影くんはすっかり元の顔に戻っていた。
もらったホケミパンは、素朴な味がした。
意外と柔らかいのにビックリしたけど、
それを嬉しく思う余裕はなかった。
「ね、意外とイケるでしょ」
「うん、おいしい」
「ほらね」
「そういえば、誰がアナタの女なの?」
「いいじゃん、そうしとけば。
迷惑なんでしょ、あいつ」
そんな会話をしながらも、あたしたちの間には微妙な雰囲気が漂っていた。
「……ねえ、千影くん」
「なに?」
「さっきの……聞いてもいい?」
「……だーめ」
おそるおそる聞いてみたけど、答えはNO。
「そっか……」
「うん」
「ミステリアスだね、千影くん」
「ちょっと、ひなた」
「えっ?」
千影くんは、突然あたしの手をにぎった。
ドクン、と一瞬で心臓が爆発しそうになる。
「な……」
「指、怪我してんじゃん。どうしたの」
「あ、これは」
「もしかして昨日、庭で傷つけた?
トゲのあるものもあったから」