シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
放課後……。
保健室で頭痛薬をもらって、なんとか舞台の練習へ。
今日は、あたしと涼介の出番がほとんどない幕だから、楽だ。
しかし……
「~~~あの高音、なんとかならんのか!!」
「涼介、聞こえるよ」
舞台袖にいるあたしたちの耳を突き刺すのは、実里の甲高い歌声だった。
実里が演じるカルロッタの見せ場、『プリマ・ドンナ』の稽古中だから、しょうがないのだけど……。
嫌いな人の高い声って、やっぱりしゃくにさわる。
「超音波みてー」
「超音波は、人間の耳には聞こえないよ」
「マジ?じゃああれだ、ガラスを爪で引っかく音」
涼介は心底嫌そうな顔で、舞台をにらんだ。
オペラ座のプリマ、カルロッタに皆が気を使って、持ち上げて、なんとか舞台に上げるという……
とっても胸くそ悪い場面が、目の前でリアルに繰り広げられていた。