シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
結局あたしは、その日そのまま家に帰ってしまった。
ママに連絡が行こうと、知ったことではない。
寄付金で役変えする学校なんか、こっちから願い下げだ。
しかし、夜になって、一本の電話が入った。
『すげえ騒ぎになってるぞ。
お前と実里が役交代するって』
心配してくれた涼介だ。
あたしは何も言えなかった。
『とにかく、明日練習だけでも来いよ。
佐藤についても、色々話したいことがあるから』
行きたくないよ。
今さらカルロッタをやれっていうの?
舞台に立てるだけでも、スカウトの可能性はある。
だけど、こんな惨めな気持ちで、歌なんか歌えないよ……。
『お前なあ、こんなことでへこたれてたら、プロになんかなれねーぞ!
プロの世界はもっと汚いことが蔓延してんだからな!
芸能界じゃなくたって、どこだってそうなんだから!』