シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


ちぃの長い親指が、喉を押す。


痛くて、苦しくて、涙がにじんだ。



「ああ、ごめん。

役者の喉がつぶれたら、大変だ」



ちぃはすぐに手を離した。


しかし、けほ、と咳き込むあたしは、息が整う間もなく、背中が草に押し付けられる。


突然の衝撃に一瞬息ができなくなって……。


肺がつぶれるような痛みから回復したとき。


気づいたら、あたしはちぃの四肢によって、地面に縫い付けられていた。



「ち────」


「本当に必要なのは、薬じゃなくてお前なんだ」



ダークブラウンの瞳に、自分の姿が映ったと思った刹那……。


あたしの唇は、ちぃの唇によって、ふさがれていた。


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