シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


「ち……」



彼を説得しようと、その顔を見上げる。


しかし、茶色がかかった瞳は、いつの間にか真っ黒になっていた。



「え……っ」



ダークブラウンに染められた長めの髪も、真っ黒な短髪に変わっていく。


形の良い鼻も、ツツジの甘いキスをした唇も、いつの間にか別人のものになっていた。



「い、やぁ……っ!!」



あたしを見下ろしているのは、ちぃではなくなっていた。


そのひとは、間違いなく……。


一度この家の中で見た、男の幽霊だった。



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