シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


『おとなしく、俺のものになればいいんだよ』



声まで、ちぃの声じゃなくなっている。


混乱する頭は理解の範囲を超えた出来事に、完全にフリーズする。


ただ、恐怖で身体が震えた。



『……やっと、手に入れられる……』



男の手が、あたしの太ももをなで、腹部から服の間に侵入を試みようとした。


そのとき。



『しっかりして!!』



脳に直接、大きな声が響いた。


それは女の幽霊の声だった。


今までぼそぼそとしか話さなかったそれが、あたしを叩き起こす。


きょろきょろと目だけを動かすが、知らない男の幽霊の肩が見えるだけで、女の幽霊の姿は見えない。


どうやら、声だけで語りかけているようだ。


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