シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「ぁ、はぁっ、は、あ、……っ」
玄関の鍵を閉め、その場に座りこんでしまう。
どうやら、何とか逃れる事ができたようだ。
発作を起こしたちぃのように、苦しい呼吸と格闘していると、ふわりと目の前が歪む。
もういい加減わかってきた。
これは、彼女が現れる前兆だ。
「あなたは……誰なの……
お願い、名前、くらい、教えて……」
やがてぼんやりとした姿を現したのは、やはり女の幽霊だった。
最初から、いつも、あたしに警告してくれた彼女だ。
『……美雪(みゆき)よ』
「美雪……さん……」
『よく逃げられたわね。良かった……』
美雪さんは、ホッとしたような表情を見せた。
それは初めて見る、彼女の人間らしい表情だった。