シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


『逃げなさい、早く!!』



「──ぅ、あ……っ」



『私が力を貸すから!!

彼に身をゆだねてはダメ!!

お願い、逃げて!!』



パアン。


何かがはじけるような音がした。


そう思った次の瞬間には、嘘のように身体が軽くなった。


ちぃ……いや男が、体を離してこちらを見ていた。



『なに……っ?』



何らかの衝撃を受けたのか、男は自分の手首を押さえている。


眉間には苦痛によるシワがよっていた。


────今しかない。



あたしは立ち上がり、一刻も早くその場から逃れようと、無我夢中で走り出した。


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