シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「……殴られたい人、いる?」
千影くんは、そこにいる誰よりも細いのに。
そんな事を言い出してしまった。
「ちょ、千影くん……」
「はぁ?殴られたいのは、お前だろ!」
「!!」
一人の男の子が、千影くんに殴りかかる。
指輪をした拳が、千影くんの頬をとらえたと思った──
しかし。
「……だっせーな」
何をどうしたのか、千影君は無傷でその男の後に立っていた。
「せっ!!」
そして、目視できないほどの速さで、
相手の背中を殴りつけた。
「……!!!」
殴られた男は、声もなく倒れる。
その顔が地面につく前、
千影くんは他の男に向かって、その長い足を振り上げた。
「が……っ!」
アゴを蹴り上げられ、一人が仰け反り、
よろけて他の男にぶつかる。
「あ、ごめん、蹴るとは言わなかったね」
千影くんは着地と同時に、もう一人に足払いをかけ、
頭から相手を転ばせた。