シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「てめ………っ!!」
残りは、あたしを捕らえている男一人……
「その子を離して」
千影くんは、全然お願いしてるとは思えない、
触れたら切れそうな視線を男に投げた。
「……消えろ。殺されたくなければ」
男がそう言って、取り出したのは。
かちゃ、と不吉な音を立てて刃を剥きだしにした、
バタフライナイフだった。
「物騒だな……」
「女を傷つけたくなきゃ、このまま消えろ」
男はあたしの手を拘束したまま、ナイフを胸元につきつけた。
冷や汗が、首から鎖骨へ流れていく。
「……そんなもん、今時見せびらかすなよ」
千影くんは、全く怯まずに、
軽蔑を込めて、男をにらんだ。
「しょうがないな……じゃあ、俺もとっておき、見せてあげようか?」
「千影くん……」
「どうしてあげようかな?」
彼は綺麗な瞳で一瞬空を見上げ……
思いついたようにポン、と手を鳴らした。