シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


「わあ……綺麗」


「これはね、ツツジ。

もう少しで花が全部落ちちゃうところだけど」



千影くんが招いてくれた庭のすみには、

あたしの膝下くらいの背の、ツツジがあった。


よく道路に植えられている、綺麗に刈られたツツジじゃない。


自然のまま伸びてしまった、ワイルドなツツジ。


ピンクの花が、緑の葉っぱの中に鮮やかに浮かび上がる。



「知ってる?ツツジの蜜って、甘いんだ」


「蜜?飲めるの?」


「飲むってほど量はないけど……吸うって感じかな」



千影くんはしゃがんで、ツツジの花をひとつ、ちぎった。


なんだか痛そう、と思ってしまったのは、

ツツジがあまりに生き生きしていたからかもしれない。


千影くんの細い指は、器用に花のお尻をちぎり、

糸のようなおしべとめしべを除去した。


ふう、と細い息で花粉を飛ばす。


その様子が何故か、すごくセクシーに見えた。





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