シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
「どうぞ」
千影くんはあたしにその花を差し出した。
いつのまにか隣にしゃがんでいたあたしは、それを素直に受け取る。
花のお尻にそっと口をつけ、息を吸うと、
ほのかな甘みと、花の香りが口の中に広がった。
「甘い!」
「でしょ?
うち、小さい頃ド貧乏でさ、よくこうしておやつがわりに吸ってた」
千影くんは、懐かしそうに目を細めて話す。
その顔は、とても綺麗で……
何故か、胸が苦しくなった。
花の香りにやられたのかもしれない。
「……うん、なんか懐かしい気がする」
「そう?」
「不思議だね……本当に、懐かしい感じなの」
覚えてないけど、小さい頃、あたしも吸ったことがあったのかな?