鯖を読んでる転校生=社長!?

諦めない

家に向かう車の中では旬が1人そわそわしてる感じで沈黙が続いているだけだった。

家に着くといつものようにメイドさんたちが出迎えてくれる。

今では当たり前のことになったけど、あたしも初めはびっくりして慣れなかった。

まぁ今もそこまで慣れてないけど・・・。

旬はあの頃のあたしみたいにキョロキョロしていた。

「車止めてくるから書斎にいて」

運転席から光河が身を乗り出してあたしたちに言った。

「わかった」

あたしは旬を連れて書斎へ向かった。

「びっくりしてるよね・・・」

あたしは長い廊下で少し旬に話しかけてみた。

「だいぶね・・・」

旬は苦笑いをしていた。

「結輪様、お帰りなさいませ」

廊下の角から新藤さんが出てきた。

「あ、新藤さん。ただいま」

「お友達ですか?」

新藤さんはそう言って旬の方を見た。

「そう、クラスメートの深野旬君」

あたしがそう紹介すると旬はペコッと頭を下げた。

「それで、社長は?」

「光河は車を止めに行きました」
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