夢花火





でも、何日たっても、水野は姿を現さなかった。


色々な場所をくまなく探しても、彼女らしき姿はどこにも見当たらなかった。


気づけば、一ヶ月が経とうとしていた。



もう二度と、会えないのかな…。


学校帰り、いつものように帰っていた。



その時。



リーン……



どこからか、鈴の音が聞こえてきた。



パッと後ろを振り返ると、猫が立っていた。



「この、猫…」


そう。


水野が消える直前に、彼女が助けた猫だ。




猫は、凛とした金色の目で、じっと私を見つめた。



数秒たった後、猫は歩き出し、また私の方を振り向いた。




この猫…


何か知ってる…?





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