夢花火





「千春。話がある。ちょっと来い」



沖田の後ろ姿を見送っていると、今度は土方が話しかけてきた。



「分かった」



黙って、土方について行く。


そして部屋の中に入って行った。


中には、近藤の姿があった。




「松林君。座ってくれ」



「あぁ」



素直に近藤の前に座る。



「松林君。私は、江戸に行ってくる」



「江戸…?」



単刀直入に言われ、少し驚く。



「江戸まで行って、何をやるんだ?」



「隊士を集めようと思ってるんだ。それで…。歳には残ってもらうから、松林君に歳を支えてやってほしいんだ」




その言葉に、私は迷わず頷いた。





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