夢花火
…そういえば、大事な事を忘れていた。
水野のことだ。
水野を探している途中で、こんな事になってしまった。
もし、未来に戻る事ができたら、また水野を探そう。
襖を開き、月を見た。
150年前の月も、綺麗だった。
いつでも、月は綺麗なんだ。
月は、何十年も、何百年も、この地球を照らしてきたんだ。
そしてこれからも、私がいた現代まで、それから先も、ずっとずっと…
照らしていくんだ。
時間は果てしなく繋がっているんだと、実感する。
だけど...私がいるべき場所はここではない。
「早く…戻りたい…」
襖を閉め、布団に入り、ゆっくりと瞼を閉じた。