夢花火



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「ん……。朝、か…」


目を開くと、いつもの自分の部屋。

…ではなかった。


いつもなら目を覚ますとすぐ時計が視界に入るのに、今はそれがない。ただの木の天井と壁だけ。


やっぱり、夢じゃなかったんだ。


その時、すっと襖が開き、沖田が入ってきた。


まさかこの男、ずっと私が起きるのをそこで待っていた...?


そう思うと、背筋が少し寒くなるのを感じた。



「千春さん、おはようございます」



そう言いながら、沖田は私の所に来た。



「ど、どうも...」


「すぐに副長の部屋に来い、だそうです。行きましょう」



沖田は、私の腕を引っ張り、連れて行こうとする。


「えっ、ちょ…。私、まだ着替えしていない…」


「土方さんが、起きたらすぐに来いって言っていたから。早く」


何でだよ…。まだ早朝なのに。


沖田に無理矢理連れられ、土方の所に向かった。




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