夢花火




「――ごめん!」

「千春さん⁉どこへ行くんですか!」


怪我人から離れ、思わず戦場に向かって走り出す。

一本木関門…。

その目的地に向かって、必死に足を動かした。

土方、死なないで…。

お願い…。

その時だ。


「……⁉」


大きな轟音が響き、ビクッとして振り返る。

炎に包まれた船が、海の中に沈んでいくのが見えた。




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