夢花火




私は、今この瞬間に決めたというか、何となく勘づいた。


もしかしたら水野もここに飛ばされたのかもしれない。私は追いかけに来たのだと。


なら私は、何が何でも、彼女を元に戻すために生き延びなければならない。



「ーー入隊させて下さい」



私がそう言うと、土方は口端を上げた。



「よし。じゃあお前は、一番組につけ。総司、松林のことは任せたぞ」


「分かりました。千春さん、よろしくお願いします」



沖田は、笑顔でそう言ってくれた。



その時…。


襖の向こう側から、ドスドスと足音が聞こえてきた。



「もう来たか。早いな」



近藤がそう言うと同時に、何人か男が入ってきた。


そして、静かで落ち着いた部屋が、一気に騒がしい部屋へと一変した。



< 33 / 345 >

この作品をシェア

pagetop